- 出演者
- -
オープニング映像。
極めて重い障害のある人たちが暮らす入所施設。国からある義務が課せられた。入所している一人ひとりにこのままで暮らしたいか、地域で暮らしたいかを問わなければならない。大阪府・岸和田市で障害のある人が暮らす入所施設の山直ホーム。重い知的障害のある40人を24時間態勢で体制で支えている。知的障害があり視覚障害もある人も。障害の特性で突然激しい行動に出る人も。元々家族と暮らしていた人達が、親が病気になったり、高齢になったりして自宅での暮らしが限界を迎え、山直ホームで受け入れることに。
山直ホームで大切にしていることは、一人ひとりの気持ちを聞くこと。言葉のコミュニケーションが取れない人には物を使って意思表示を確認している。一方国は、障害のある人が自らが望む場所で自分らしく暮らせるように施設から地域へという方針を掲げている。入所施設にかわる住まいの選択肢として、少人数で共同生活をおくるグループホームを整備するとともに、入所施設の定員を削減し続けてきた。この20年間で入所施設に住む人は、20年間で2万5000人減少した。この方針を進めるために国は本年度から、入所施設に対し、意向確認を義務付け、入所している人たちに施設ではなく、地域で暮らしたいかを尋ねる。7月に職員会議が開かれ、献身的に支えてきた職員たちにとって、出ていきたいか?と尋ねるのは複雑だという。
山直ホームでは8月から入所している40人に対し、これからも山直ホームで暮らしたいか、外で暮らしたいかを聞き出した。棚橋雅人さんはこだわりが強く、成長するにつれて家族が支えきれなくなり、29年前から山直ホームで暮らしている。突然どこで暮らしたいかと聞いて混乱させないように、本人と約束した日に、山直ホーム以外の選択肢について、写真を使って紹介することに。職員は棚橋さんの部屋で入所施設とはどんなものか、次に地域施設の例としてグループホームを見せた。しかし話し合いを続けることはできなかった。次に山直ホームが好きかどうかを聞くと、聞いた言葉を繰り返すだけで本当の気持ちを聞き取ることはできなかった。
林堂学さんは自力で歩くことが難しく、移動も食事も常に職員が見守っている。林堂さんを一軒家で暮らせるグループホームに連れてきたが、重い知的障害のある人に、想像しづらいことを問い続ける必要がある。山直ホームから出て地域で暮らしたいかどうか、意向は確認できなかった。深刻なのは施設の外で暮らしたいと思っても、受け入れ先が見つからないという現実がある。
- キーワード
- 山直ホーム
山直ホームに入所している大野達也さん。この日は両親が訪れたが、母の洋子さんと父の洋二さんはできる限り地域の中で生活させたいと達也さんを地元の小学校に通わせた。近所の人に挨拶しながら散歩するのが日課だった。しかし成長するにつれて自宅を飛び出していなくなってしまうなど常に目が離せない状況に。家族で見守り続けることに限界を感じ、山直ホームに入所の申込みをしたという。重い障害のある人が地域で暮らす。それは理想にすぎないと両親は痛感している。山直ホームで暮らして13年。気持ちが不安定になることや、自分を傷つける行為がほとんどなくなり、表情も穏やかになった。洋子さんはこの環境が崩れることに懸念しているという。
- キーワード
- 山直ホーム
意向確認の義務化は、本人に意向を聞くことそのものが難しく、入所施設以外には行き場が見つからない人も。山直ホームだけみても、定員40人に対し、138人の待機者がいるという現実も。朝日放送テレビは厚生労働省に質問した。グループホームから受け入れを断られるなど、明確な移行先が確保されていない入所者に対しても意向確認を行わなければならないという実現のなさについて質問をしたが、厚生労働省は本人の意思や希望が尊重される意思決定支援であることが重要とし、丁寧に支援すべきと回答している。山直ホームを運営しているいずみ野福祉会は毎年夏祭りを開いている。今年で17回目で、地域の人たちに人気で、3000人が訪れた。叶原施設長を始めとする山直ホームの職員が祭りのスタッフに。障害のある人も地域で暮らす理想。地域には暮らす場所は見つからず、まずは障害のある人のことを知ってほしいと、山直ホームが地域と施設の架け橋になろうとしている。山直ホームでは意向確認が続いている。
エンディング映像。
