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オープニング映像。
2026年3月16日、沖縄県の名護市・辺野古沖で小型船転覆事故が発生した。研修中の生徒たちが海に投げ出され、生徒と船長が死亡した。新基地建設に反対する団体の抗議船に対し、事故後SNSで批判が相次いだ。その矛先は平和教育そのものに向けられた。
久保田曉さんは教員として平和教育を担い、退職後も沖縄戦の語り部として子どもたちに講話を行っている。沖縄戦当時は生後3ヶ月だった久保田さんは平和教育を担当するなかで戦争体験者の母親に当時のことを訪ねた。日米による激しい地上戦が行われた沖縄。母の千代子さんは長男と次男の久保田さんらを連れて戦場を逃げ惑った。戦争の記憶を長い間語らなかった千代子さんは、もう二度と子や孫に同じ思いをさせたくないと自身の体験を話始めた。戦後、沖縄戦の実相を後世につなげようと学校現場では戦争体験者の語りを聞く平和教育が行われてきた。1992年には平和の礎の建立に向けて戦没者調査が行われた。沖縄戦後史を研究する沖縄国際大学の秋山道宏さんは、沖縄戦体験を残す取り組みは1970年代から少しずつでてきたが、80年になって本格的になっていき、誰が亡くなったのかを記録していくという取り組みがなされたという。
沖縄戦とその結果として沖縄に集中したアメリカ軍基地。基地問題もまた、平和教育のテーマの一つとなっていく。沖縄県立首里高校の金城睦先生は、自身が担当している国語の授業でも基地問題を扱った学びを取り入れている。2016年には名護市・安部で普天間基地所属のアメリカ海兵隊のオスプレイが墜落した。各新聞社の紙面では、不時着、墜落と表現がわかれた。言葉で基地問題を考える。金城さんは物事を多角的に見ることの大切さを伝えている。その中で起きた辺野古での事故。平和教育の状況が一変した。
辺野古沖での転覆事故から半年が経過した9月16日。現場近くの浜には、運航団体のメンバーが訪れた。9月に行われた沖縄県知事選挙で、選挙期間中に行われた古謝玄太候補の集会では、応援ベンチからは平和教育への言及もあった。SNSでは、平和教育を沖縄戦に限るよう求める声や、平和教育を疑問視する書き込みも。都内の学校で平和教育を取り組んでいた教員は学生時代に辺野古を訪れて基地建設に賛成・反対だけではない住民の思いに触れたことをきっかけに、修学旅行で辺野古を訪れてはさまざまな意見を聞き基地問題を考えてきた。なぜ沖縄に基地があるのか?生徒自身に考えてもらうことを大切にしてきた。しかし、事故を境に、基地問題を扱うことへの空気が変化したという。
萎縮が懸念される中で基地問題を生徒たちがどう学んでいくか?沖縄戦や基地がある沖縄の現状を県外から知ろうとする若者たちがいる。英語と平和教育に力を入れている愛知県の英語塾のクレイン英学校と球陽高校の生徒で作る団体のRe:memberの交流会が行われた。生徒たちは沖縄戦当時住民や負傷兵などが身を隠したガマに入り、犠牲になった人々の名前が刻まれた平和の礎を訪れた。さらに現地に駐留するアメリカ兵との交流や生徒同士の意見交換も重ねて沖縄への理解を深めていった。交流会を企画したクレイン英学校の 代表は、自身は広島出身でアメリカとも関係があり、学んでおきたいと感じたという。これまでに基地の現状を調べ、地域住民から話を聞くなどし、基地問題に学んできた。平和の礎のそばにある資料館には、もう二度と戦争を繰り返さないという決意が記されている。
エンディング映像。
