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9月、談合が認定されたのはマンションの大規模修繕工事に関わる業者。公正取引委員会は長谷工リフォームや清水建設のグループ会社など42社が独占禁止法に違反したとして、不当な取引をやめるよう排除措置命令を出した。被害を受けたマンションは関東圏だけで171物件。公募で集まった業者が裏で工事の金額を話し合い落札する業者を事前に決定し不当な金額で工事が決められていた。
横浜市内にある約300世帯が暮らすマンション、マンションの住人山田を名乗る人物が大規模修繕を決める会議にやってきた。山田は最初の会議で修繕副委員長に立候補した。住民側が山田をなりすましだと気づいたきっかけが、駐車場の契約に本当の住民が来たが管理人が「顔が違う」と怪しんだという。防犯カメラを見ると偽山田の不審な行動が次々と明らかになった。会議で偽山田を問い詰めたところ自白したが警察が到着する前に立ち去ったという。なぜ偽山田は住民になりすまして大規模修繕の会議に参加したのか。
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大規模修繕工事はマンションの資産価値を維持するため通常12年から15年の周期で行われる。マンションの所有者は修繕積立金として毎月数万円ずつ費用を積み立てていく。大規模修繕工事は物件によっては数億円から数十億円もの費用がかかるという。偽山田は修繕副委員長になり工事業者の比較資料などを作成し会議を主導していた。本物の山田さんは偽山田から報酬として商品券60万円分を受け取っていた。別のマンションにもなりすまし住民が存在した。逃走したなりすまし住民は住居侵入の疑いで逮捕され、テイエム技建という会社の社員だとわかった。
テイエム技建の社員がマンションの住人になりすまし、住民会議に潜入。同社に大規模修繕を依頼するよう働きかけた疑いがあり、社長は会社としての指示だったと認めた。同様の手口は過去に20~30件は行ったという。古山竜治氏はなりすましの手口、目撃情報などを他のマンションと共有している。同氏が住むマンションで住民会議が行われると、大規模修繕を手掛けるM&Hリライアンスの社長が潜入していたという。古山氏は会社として部屋を所有しているのに、管理組合には個人名義で届け出ているのはなぜかと問うと、出席者の男性1人が社長を擁護。後日、住人に金銭を与えてなりすましていたバランシズムの社員と判明する。また、古山氏はM&Hリライアンスを独自に調査すると、36か所のマンションで部屋を所有していることを掴んだ。
M&Hリライアンスは湾岸エリアのタワーマンションの部屋を所有していた。当該マンションで総額57億円を投じた大規模修繕を請け負ったのは長谷工リフォームで、関係者によると、M&Hリライアンスと取引していたとされる。また、債務超過に陥っていたテイエム技建とも関係は続き、公募で工事を勝ち取れる金額の情報をもたらしてくれたという。M&Hリライアンスの社長が住民会議に潜入し、内部情報を掴んでいたとされる。ただ、工事では多くの不備が見つかっていて、長谷工リフォームは下請けに入っていたテイエム技研を排した。住民には工事をやり直すと約束。
バランシズムは築年数が古かったり、最初の大規模修繕を迎えるマンションの情報を収集している。さらに、同社の社員2人が横浜市にあるマンションの住人会議に潜入していた。別の出席者1人は引っ越してきたばかりの住人で、大規模修繕に精通しているとも発言。後日、テイエム技建の元社員と判明する。取材を試みるも、無言のまま部屋へと戻っていった。
隣の住民はなりすましかも知れない。マンションの大規模修繕で起きたのは、住民同士の深刻な分断だった。なりすましに加担した住民に残るのは後ろめたさ。なりすまし住民の手口が明るみに出た今、新たな対策が求められている。
