3月上旬、平地では春の到来を感じられる頃だが、立山黒部アルペンルートの美女平付近では雪が降るなか、除雪隊が作業を進めていた。ショベルカーが崩した雪をロータリー除雪車が取り込み、道路外へ飛ばしていく。2台のロータリー除雪車を操縦するのが古栃遼氏、11年のキャリアを持つ糸孝志氏(39)。前進、後退を繰り返しては道幅を広げていくため、連携が欠かせない。古栃氏は技術の未熟さを痛感し、心が折れかけたというが、糸氏から励まされて踏みとどまっていた。晴天に恵まれると作業は捗るが、天候のコンディション、標高によっては作業を中止せざるを得ない時もある。