上野駅から山手線で1駅、御徒町駅の近くにはインド料理店が軒を連ねている。御徒町は宝飾店が軒を連ねジュエリータウンとしても知られるが、インドはダイヤモンドの加工など宝石業が盛んな国でこの街に来て商売する人も多いという。インド料理店の情報をSNSなどで発信している八木雄建の案内で最初に訪れたのは宝飾店のオーナーも務めるインド人ラジェンドラジェインさんが開いた西インドカレーのお店。ベジタリアンが多いインドでよく食べられている野菜と豆を使ったカレーが名物で、特に一口大に切ったガッタと呼ばれる具をカレーと一緒に煮込んだカレーがおすすめ。北インドのカレーは日本でもおなじみのスタイル。小麦の栽培が盛んな北インドではチャパティやナンなどが主食。濃厚でクリーミーなバターマサラが有名。世界有数の稲作地帯である南インドは米が主食。複数のカレーとおかずがセットになったミールスが定番のスタイル。スープカレーのようなさらっとした見た目のわりに、スパイスがガツンとくる味わいで細長い粒が特徴のバスマティライスにかけて頂く。東インドのベンガル湾やガンジス川が流れる地域では漁業や稲作が盛んで日本とよく似た食文化が根づいている。使っているのは現地から取り寄せたロフーというコイ科の川魚。東インドでは定番のマスタードオイルというからし菜の種からとった油で揚げ焼きにする。カレーと一緒に魚を煮込んだら完成。御徒町で東西南北を制覇したが、しかし、それはまだインドカレーを求める旅の始まりにすぎない。