米国でTikTokを禁止する法律の発効が今月19日に迫る中、トランプ次期大統領が発効を一時的に停止する大統領令を検討していると米メディアが伝えた。トランプ政権で国家安全保障担当補佐官に内定しているマイク・ウォルツ氏が報道内容を認めた。先週、連邦最高裁判所ではこの法律の差し止めを訴えたTikTok側の口頭弁論が始まった。法律では国内でのサービスを停止するか、親会社のバイトダンスに対し米国事業の売却を求めている。一方、最高裁判事の過半数は中国に対する懸念からこの法律を支持するとみられており、言論の自由の侵害にあたるとの見解を示した判事が1人しかいなかった。TikTok側の弁護士は「法律が発効すればサービスを停止する」と述べた。政府は最高裁に対し今月19日までに法律を支持する判断を下すよう促しているが明らかではない。またバイデン大統領は法律の発効停止に向けて介入するつもりはないということだが、一部の報道によれば19日以降もTikTokが利用できるよう政府は方策を検討中だという。法律ではTikTokのアプリをダウンロードできるようにしている米国の事業者を取り締まるため、禁止の影響は世界各国に及ぶ可能性がある。またトランプ政権が関税の引き上げを検討していることもあり、中国政府がアップルやテスラといった米国企業に対して報復を行う恐れも指摘されている。こうした事やトランプ政権が取りうる選択肢を考えると、TikTokが完全に禁止される可能性は低いと専門家はみている。