親の虐待などで児童養護施設でくらす子どもたちの多くは18歳で施設を出る。東京・吉祥寺にあるカフェの店長・武石由貴子は施設出身の子どもたちが気軽に立ち寄れる場所にしたいという。店のコンセプトを考えたのは児童養護施設で働く夫・武石和成。武石夫婦はかつて同じ児童養護施設で働いていた。施設を出た後、若者への支援が途切れ金銭面や人間関係で苦労する姿を見てきたという。若者の自立を支援する動画制作にも取り組んでいる。職業紹介、家の借り方、貯金の大切さなどをテーマに140本以上制作した。動画制作には施設出身の若者もアルバイトとして参加している。武石由貴子は「再開できたときは嬉しい」、和成は「既存の支援に引っかからない子に向けてやっている。その趣旨を見失わないように、目の前の若者のためになっているのか自分に言い聞かせながらやっていきたい」と話す。