最近路線バスの廃止や減便が全国的に相次いでいる。こうした中千葉県柏市では地域の自治会がバスの運営を始めている。柏市の北部にある柏ビレジという住宅街の自治会が貸切バス事業者に委託して運行している。自治会長シュピンドラー千恵子さんは20年余り前にドイツ人の夫や子どもとともにこの地域に移住してきた。街の印象について“交通の不便さが地域を活性化する上で足枷になっている”と感じ5年前に自治会長に就任した後路線バスの増便を行政や事業者に掛け合ったが採算性などを理由に断られてしまった。シュピンドラーさんは以前から自分の会社を経営していて、その経験から自治会のメンバーと力を合わせれば運営できるのではないかと思ったという。こうした取り組みを支えているのは地元の中小企業でシュピンドラーさんなどが協力を呼びかけ貸切バスの事業者が見つかったほか、協賛金も寄せられて年間1000万円の運営費を賄える見通しが立った。自治会運営コミュニティバスは先月2日に運行を開始、運賃は1回につき220円で回数券や定期券が必要ということ。運行開始からの回数券の売れ行きは目標の8割ほどで継続的に利用してもらうために話し合いを続けるということ。名古屋大学大学院加藤博和教授は「住民の年齢層や地域のあり方は年々変わっていくため自治会で長く運営を継続していくのは簡単ではなく何か問題があれば躊躇せず変えていくことが大事となる」とした。