ロシアが、プーチン大統領の側近を訪朝させた背景に専門家は北朝鮮兵が関連しているとみている。ワシントンポストは、2月初旬にロシア・クルスク州奪還の前線に投入された北朝鮮軍が戦局を大きく変える決定的な役割を担ったと伝えている。去年10月に派遣された1万1000人規模の軍隊は単純な歩兵部隊だった一方、新たに追加派遣された部隊には特殊部隊が含まれていて独自的な攻撃ができるようになったという。北朝鮮の特殊部隊が合流したことでウクライナ軍を装備と兵士の能力の両面で圧倒したとも伝えている。元時事通信モスクワ支局長・拓殖大学・名越健郎客員教授は「18日の米ロ首脳電話会談では陸上での一時停戦とはならず、両国の隔たりが浮き彫りになった」と指摘し、今回のロシア・ショイグ安全保障会議書記の訪朝は「戦闘継続を見越したロシアが北朝鮮側に更なる特殊部隊の協力などを求めたのでは」とみている。元時事通信モスクワ支局長・拓殖大学・名越健郎客員教授はこのタイミングで訪朝した背景に約1か月半後に迫ったロシアのビッグイベントが関わっているという見方を示している。ロシアは第2次世界大戦で旧ソビエトがナチスドイツに勝利したことを祝う5月9日の戦勝記念日に軍事パレードを開催している。そこに中国・習近平国家主席が参加予定だとロシアの駐中国大使は話している。パレードには北朝鮮軍の参加も予定されているが、北朝鮮・金総書記が参加するかどうかわかっていない状況。名越名誉教授はプーチン大統領の思惑として「現在、中国と北朝鮮は距離を置いている状況なので、戦勝記念日で両首脳を会わせて雪解けのきっかけにしたい」「日米韓の協力関係に対抗するため、ロ中朝の結束を強めたいと考えているのでは」と推察。