政府が夏頃を目指している福島第一原発の処理水の海洋放出。開始に向けた手続きが最終段階に入った。きのうIAEAのグロッシ事務局長は岸田総理に処理水の海洋放出の安全性に関する評価を盛り込んだ報告書を提出。その後の会見で「国際的な安全基準に適合する」とのべるなど、事実上容認する形となった。しかし処理水の海洋放出の時期を巡っては、公明党・山口代表が“直近に迫った海水浴シーズンなどは避けたほうが良い”という発言があり、与野党の一部から「かえって風評被害を招く」などと波紋を呼んでいる。そんな中、きのう山口代表は「客観的に安全性を周知することが大事で、(安全性の周知には)少し時間が不足しているのではないかという趣旨で申し上げた」と釈明した。さらにきのうは、中国の駐日大使が処理水の海洋放出について反発。海洋放出で問題となっているのがトリチウム。福島第一原発はトリチウムの年間放出総量を22兆ベクレル以下に抑える計画をたてている。しかし中国の原発ではその計画のおよそ4~5倍ものトリチウムが放出されているが、生態系などへの影響は確認されていない。政府は夏頃としている放出開始にむけ調整を進める方針。