ダウン症で知的障害のある菅波柚希さん。事務所に入って1年、本格的に動きやセリフのある役は初めて。物語は太平洋戦争中の長崎が舞台。高校生たちの友情と現場で大事な人達を失いながらも懸命に生きる姿を描いている。柚希さんは主人公の弟の友人ミノリを演じる。脚本と演出を担当する砂川さんは柚希さんの情報提供シートを参考に台本を書き換えた。柚希さんが得意なのは体を動かすこと。突然起きる大きな音や長いセリフを覚えるのは苦手。そこでセリフ頭と終わりを削ったという。原爆の音と叫び声に驚いて芝居が止まってしまった。共演者やスタッフがそばにいることで少しずつ落ち着くようになっていった。舞台初日では苦手だったシーンでも脚を止めずに芝居ができた。