九州大学の岡崎裕典教授は地球惑星科学が専門で、海底に降り積もった微小な生物の化石から過去の気候変動を調べ将来に活かす研究をしている。しかし日々の会議や授業に追われ、研究に割ける時間は1日の仕事のうち4分の1しかない。時間不足の大きな原因と感じているのは教員の削減であった。岡崎さんが所属する学科ではおよそ20年前に比べて教員の数が2割ほど減少しているという。元々国立現場の研究現場は国から毎年交付されている基盤的経費と公募に採択されて初めて得られる競争的資金などによって運営されてきた。国は2004年に国立大学を法人化したことをきっかけに、6:1だった比率を変え競争的資金などの割合を増やしてきた。このため競争的資金の獲得は研究を続けるための必須条件となっている。しかし書類の作成に1か月ほどかかるなど、獲得に多くの時間と労力を要する一方でその採択率や3割弱と低く、負担だけが残るケースもあるという。
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