今週、東京・国立市議会の本会議で、積水ハウスの事業を巡り、繰り広げられた激しい応酬。市内に建設された10階建てのマンションが、完成間近で解体されるという異例の事態に。解体の理由は「富士山」。関東の富士見100景にも選ばれた眺望。国立市の景観づくり基本計画でも「周辺の建築物が富士山への眺望を阻害しないよう取り組む」としている。建設した積水ハウスは、周辺への影響について、着工前に住民との話し合いを重ね、2度にわたり設計変更も提言を求める声は収まらなかったという。一方、市の基準や法令は満たしていたため、去年1月にマンションの建設を始めた。積水ハウスは、契約者の事情に応じ、返金や別の住居の手配などの対応を行っている。議会では市の責任を問う声も上がった。マンション開発と景観を守る問題は京都市でも。聖護院門跡の向かいに5階建てのマンション計画。周辺住民らは低層マンションに計画変更を訴え市に対し眺望、景観を守る地域への指定を求めている。京都市は眺望に関して建築物の高さなど規制できる条例はあるが個別エリアの開発の制限につながるもので慎重に検討を重ねているという。
住所: 東京都国立市富士見台2-47-1