哲学者で津田塾大学教授・萱野稔人さんの解説。公募要領などの資料を読むと分かるが多くの要件を大学に求めているため申請するだけでもとても大変。多分申請準備のために研究時間を削らなければならなかった教員や仕事量が増えた職員が相当いるのではないか。研究や教育などにしわ寄せがいってしまうことはもちろんある。もし国際卓越研究大学に認定されたとしても、それで大学の業務は終わりではない。進捗状況を報告し評価を受けるため教職員が多くの業務をこなさないといけない。国際卓越研究大学に選ばれると使えるお金は増えるが腰を落ち着けて研究する時間はその分だけ減る。だからといって大学は大変だから公募に申請しなければいいとはならない。今回申請したのは日本を代表する大学ばかり。申請しなければ文科省がせっかくつくった国際卓越研究大学に認定されるつもりのない大学という評価を受けてしまいかねない。同じような構図は他の大学政策にもよく見られる。文科省自身が日本の大学の研究力をそいでしまっている現実をもっと直視してほしい。