アメリカのトランプ政権が発動した相互関税などをめぐる裁判で、連邦最高裁判所は、IEEPAを根拠に相互関税などの関税を課す権限は大統領に与えられていないとする判断を示した。これに対し、トランプ大統領は別の法律を根拠に10%の新たな関税を課す命令に署名する考えを明らかにした。 IEEPAでは、国家安全保障や経済の面などで異例かつ重大な脅威がある場合、大統領が緊急事態を宣言すれば事前の調査をせずに輸入や輸出を規制できると定めている。トランプ大統領はこの法律を根拠に相互関税などを発動してきた。裁判で争われていたのは、幅広い国・地域の他品目対象の「相互関税」、薬物流入などの理由の追加関税が含まれる。国際貿易裁判所は、トランプ政権がIEEPAを根拠に発動した関税措置は大統領に与えられた権限を越えているなどとして去年5月、差し止めを命じた。さらに連邦控訴裁判所も去年8月に1審の決定を支持する判断を示し、去年11月には連邦最高裁判所で初めての口頭弁論が行われた。そして、連邦最高裁は20日、「IEEPA」を根拠に相互関税などの関税を課す権限は大統領に与えられていないとする判断を示した。控訴審までの決定を支持し、トランプ政権側が敗訴した形で政権への打撃は避けられない情勢だ。アメリカの税関・国境警備局は、関税による収入はトランプ政権の発足から2000億ドル以上(日本円で30兆円余)となり、大半が相互関税などの収入かとみられる。アメリカ政府は最高裁の判断によっては、企業から巨額の還付が求められる可能性もある。トランプ大統領は「深く失望させられるものであり裁判所の特定の判事たちを恥ずかしく思う」と述べ、最高裁の判事たちを批判した。トランプ大統領は通商法122条を根拠に10パーセントの新たな関税を課す命令に署名する考えをあきらかにした。
