オランダでは2001年、世界で初めて同性婚を法制化し、毎年8月には性的マイノリティーのためのイベントも催されている。さらに初等教育の現場では4歳から「自分、相手のことも尊重する」という考え方に基づき、定められたカリキュラムが義務化されている。書店には性について家庭でも話題にできるよう、絵本を探しに来る親子が多いという。教材を開発するシンクタンクのエルスベット・ライツェマさんは「自己を肯定した上で人との接し方を理解し、自分がしたくないことを伝える方法を学ぶ」などと語った。思春期を迎えつつある10~11歳のクラスを取材すると、「相手の行為をどこまで受け入れられるか?」がテーマとなっていて、実際に遭遇しうるシチュエーションが設定され、生徒たちが意見を交わしあった。ヤンセン先生は「他の人は違う意見を持っていると知るのも大切です」、「これから様々な意見を持つ人と出会うからこそ、この授業は大切」などと語った。オランダでは初等教育から性教育に力を入れていて、初めて性行為をする年齢が遅くなり、性行為を強要された人の数は減少した。ユネスコは性教育に関するガイダンスを2018年に改定している。