アメリカ国立環境情報センターによると、過去174年間で2023年が最も暖かい年になる確率は99%以上で、国際連合環境計画は現行の取り組みでは世界の平均気温は産業革命前と比べて2.5~2.9度の上昇をもたらすと警鐘を鳴らす。また、世界人口は2050年代なかばに100億人に達すると見込まれ、飼料穀物の増産が必要となってくる。人類史を振り返ると、3度の農業革命が起きている。約1万年前、狩猟採集から農業・酪農へ移行し、約5500年前に降水量の減少で、灌漑施設が整備され、維持・管理のために文明社会が誕生した。14世紀半ば、太陽活動の低下、火山活動の頻発で寒冷化したなか、ジャガイモ、トウモロコシが救世主となった。地球温暖化、人口増加、地政学といった懸念材料を抱えるなか、第4の農業革命では多年生植物の改良、藻類や昆虫食の普及が考えられるという。