シリアのアサド政権の崩壊から10日。1300万人を超える難民と国内避難民の動きが注目されている。二村伸専門解説委員が「アサド独裁政権の崩壊を歓迎して周辺の国々から帰国する人が増えている。UNHCRによればトルコから1万人近く、レバノンからは数千人がシリアに戻ったと見られている。一方でシリア国内では反体制派の構成が始まった先月27日以降、新たに100万人が住む家を追われた。混乱を恐れて国を脱出する人も少なくない。暫定政権はかつて国際テロ組織アルカイダと関係のあった過激派組織が主体で、どれだけの国民の支持を得られるのか、またどのような政策を打ち出すのか未知数で、国際社会もどう向き合えばよいのか手探りの状態。また、13年余りに及ぶ紛争でインフラが破壊され住民が安心して住める環境にない。暫定政権は難民に速やかな帰国を呼びかけているが、UNHCRなど国連各機関は今はまだ帰国を慎重に判断するよう求めている。ただ、難民を受け入れている周辺の国々は、経済的な負担の重さからすぐにも帰国してほしいというのが本音。またヨーロッパではドイツや英国、オーストリアなど10カ国近くがシリアからの難民の申請や審査手続きを停止した。日本もこれまでシリア人留学生とその家族150人余りを受け入れてきたが、滞在を続けられるのかどうか不安を強めている人もいる」とスタジオで述べた。
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