堺伝統の刃物づくり。鍛冶職人から研ぎの職人のもとへ。研ぎ一筋60年の森本光一さん。鍛冶職人から受け取った包丁は刃先が厚いまま。それを研ぎ上げるのが仕事。まずはあらく研いで刃金の部分を露出させる。包丁の根元から先端まで厚さが均等になるように刃先を少しずつ砥石で削っていく森本さん。どれだけ削るのかは数字では表せず感覚となる。包丁は研いでいるうちに熱を持ち歪みが出る。それを叩いて平らに戻す作業。このあとさらに刃先を薄く削り出す。目の細かい砥石で刃先を丁寧に研ぎ上げ、切れ味を整える仕上げ。よく切れる包丁は刃先が細かなノコギリ状になっている。研ぎ具合を確かめる方法は刃先が髪の毛に引っかかるかどうか。出来上がった包丁の切れ味を切りにくい食材の代表・トマトで試すと抜群の切れ味だった。