2023年10月20日放送 14:05 - 14:31 NHK総合

NHK地域局発
えぇトコ 歴史の町の“ほんまもん”

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(オープニング)
歴史の町の”ほんまもん”

大阪府堺市、文化施設の中にある茶室。訪れたのは片岡鶴太郎さんと田中美里さん。堺は千利休が生涯の大半を過ごした地。

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オープニング

オープニング映像。プロ愛用の伝統刃物。なにわのグルメを支えるスゴ技。郷土の食文化”復活”。

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堺区(大阪)堺(大阪)
大阪 堺市 前編 歴史の町の“ほんまもん”
風を感じる!自転車タクシー

自転車タクシーは市の中心部をガイド付きで周遊できる。3年前に始まり人気。妙国寺に到着。自治都市として繁栄したが16世紀なかごろに織田信長によって自治権を奪われる。樹齢100年以上と伝わる蘇鉄。織田信長が気に入り安土城に持って帰ったという。蘇鉄は堺へかえりたいとすすり泣いた。激怒した信長は家臣に命じて切り落としたところ、切り口から鮮血が流れ悶え苦しむ。これに恐れをなした信長が妙国寺に蘇鉄をかえしたという伝承がある。

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受け継がれる ものづくりの精神

2人は古くから職人が集まるエリアへ。子どもの自転車につける補助輪を作っている工場。全国からの注文を手作業でさばく。補助輪を作るのは日本でここだけだという。堺は明治以降、自転車産業で栄えた町。古墳築造や鉄砲技術がルーツだといわれている。

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七道駅
プロが愛する包丁!鉄を鍛える職人の手仕事

歴史の中で培われた堺のものづくり。包丁もその1つ。鋭い切れ味は名だたる料理人が愛用していることでも知られる。街の至る所に刃物の工房がある。堺の包丁は鉄を叩いて生地をつくる「鍛冶」と刃先を磨く「研ぎ」、「柄付け」を分業して行う。田中義一さんは100年以上続く工房の鍛冶職人。息子・義久さんと昔ながらの包丁作りに励んでいる。この地で作られる「堺打刃物」と呼ばれる包丁は1つの金属から型を抜くのではなく土台となる柔らかい鉄と刃先になる硬い鉄の2つを合わせて製品にするのが特徴。地金と刃金の間に接着用の粉を加えて叩いて吸着させながら包丁の形にする。叩いたことで乱れた鉄の組織を整える「焼きなまし」という作業は昔から藁を使う。藁がゆっくり温度を下げ灰となる過程で鉄の組織が均一になり折れにくくなるという。続いて「焼き入れ」。800度まで熱して水で急激に冷やすことで鉄を硬くする。最後に「焼もどし」。170度の低温で加熱することで独特の粘りを出す。こうして生地が完成する。

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堺市(大阪)
極上の切れ味を生み出す!研ぎ職人の技

堺伝統の刃物づくり。鍛冶職人から研ぎの職人のもとへ。研ぎ一筋60年の森本光一さん。鍛冶職人から受け取った包丁は刃先が厚いまま。それを研ぎ上げるのが仕事。まずはあらく研いで刃金の部分を露出させる。包丁の根元から先端まで厚さが均等になるように刃先を少しずつ砥石で削っていく森本さん。どれだけ削るのかは数字では表せず感覚となる。包丁は研いでいるうちに熱を持ち歪みが出る。それを叩いて平らに戻す作業。このあとさらに刃先を薄く削り出す。目の細かい砥石で刃先を丁寧に研ぎ上げ、切れ味を整える仕上げ。よく切れる包丁は刃先が細かなノコギリ状になっている。研ぎ具合を確かめる方法は刃先が髪の毛に引っかかるかどうか。出来上がった包丁の切れ味を切りにくい食材の代表・トマトで試すと抜群の切れ味だった。

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なにわ名物を支える 手すきおぼろ昆布

堺の包丁は「なにわのうまいもん」を生み出してきた。昭和21年創業、おぼろ昆布で知られるこの店。三代目・郷田光伸さんのこだわりは高級品として知られる北海道・函館近海の真昆布。厚さは約0.02ミリ。これに欠かせないのが昆布専用の包丁。刃先をなでるとわずかに引っかかりがあるのを感じる。包丁の刃先を曲げることで産まれる引っかかり。昆布をより薄くするこの工夫は職人自らが行う。20分ほど削ると引っかかりがなくなるため、それを目処に研ぎ直さなければならない。こうして生まれた「おぼろ昆布」を大阪名物・うどんと一緒にいただいた。「好きなだけ入れてください」とおぼろ昆布を渡されたっぷり乗せたうどんをいただいた鶴太郎さんは「めちゃくちゃ美味い」と言った。昆布を削り終えた後の芯の部分も「白板昆布」としてバッテラ寿司などに重宝されている。昆布が乗ることで感想を防ぐとともにその甘味がサバに染み出して口当たりをまろやかにする。

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受け継がれる食文化を未来へ!

アナゴの加工販売店へ。良質な漁港として名を馳せた堺。明治~昭和中期にかけ盛んに行われたのがアナゴのはえ縄漁。その美味しさは北大路魯山人が称賛したほど。アナゴの目利きとして知られる松井利行さん。堺でほとんどアナゴがとれなくなった今扱うのは長崎対馬・韓国産が中心。必要なのは脂ののり具合を見極める目。鶴太郎さんと田中さんが目利きに挑戦した。アナゴを見極めるコツの一つが頭を見ること。首元に入った線を基準に先端が短く丸みをおびている方が良いとされる。また松井さんいわくカワイイ目をしたアナゴが美味しいという。店で最も多く手掛けるのが焼きアナゴ。まずは下処理で臭みやえぐみを取り除いたあと白焼きに。皮を中心に焼くことでアナゴの表面を覆うぬめりが浮き上がる。それを水洗いし水気を切ったら、アナゴの頭を焼いてとったダシに醤油・酒・みりんなどを加えたタレに漬け焼く。少しさらっとしている方がアナゴの白身の上品な味わいを楽しめる。ふるさとの味を多くの人に知ってもらいたい、松井さんは焼きアナゴのフライを挟み込んだアナゴドッグも開発、地元パン屋で販売中。わさびマヨネーズをきかせた事でアナゴが苦手でも食べやすいと評判。ここ数年は地元の小学校でアナゴに関する特別授業をしている松井さん。そこには堺の食の未来への危機感がある。堺の人々のアナゴへの愛情に感銘を受けた鶴太郎さんは感謝の気持を表現したいと筆をとった。

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旅の最後は 堺のシンボル 旧堺燈台へ

旅の最後は堺のシンボル旧堺燈台へ。鶴太郎さんは「堺で生まれ育た誇りとプライドみたいなものをものすごく感じましたね」、田中さんは「つなげていこうっていう気持ちがすごく伝わりました」などと話した。

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(エンディング)
エンディング

エンディング

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堺(大阪)
えぇトコ味だより
大阪 堺 アナゴの丼と吸い物

アナゴの丼と吸い物が紹介。ゆでた小松菜を温かいご飯にのせる。ゴマをふりかけ一口大にした焼きアナゴを盛り付け。しょうゆとみりんベースのタレをかける。アナゴの頭を顆粒だしとお湯で溶く。お好みでわさびも。

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