東京で新聞記者をしている阪本繁紀さんは、趣味の漫画で幅広い世代に震災の教訓を伝えたいと考え、福島県いわき市を舞台にした漫画を自費で出版した。阪本さんが生まれ育ったのは本州最南端の和歌山串本町で、南海トラフ巨大地震が起きると大きな被害が出ると想定されている。阪本さんは漫画の舞台となったいわき市を訪れたときに自分のふるさとと重ね合わせた。漫画で阪本さんが力を込めたのが震災前の幸せな日常で、主人公は震災により同級生や家族を失い、悲しみを乗り越えて生き抜く姿を伝えたかったという。阪本さんに経験を伝えた小野陽洋さんは、生きていることに対する葛藤を抱いていたりしますと話す。身近な人が亡くなり何故自分は生き残ったのかと考え続けた小野さんは、経験を語り継ぐ活動をしている。漫画に込めた坂本さんの思いは和歌山の若者たちにも広がっている。阪本さんは、東北の方々が放ってくださる光を今後地震津波災害に向き合う我々を導いてくれるものとして捉えて、受け止めてもらうためのきっかけのひとつになればと話した。阪本さんは現在新たに福島県の沿岸部を舞台にした作品づくりに取り組んでいるという。
住所: 福島県いわき市平薄磯字宿崎34