今年1月会計検査院院長に就任した田中弥生さん。これまで独立行政法人大学改革支援・学位授与機構などでキャリアを築いてきた非営利組織の評価のプロフェッショナル。その田中さんがキャリアの起点になったというのがマネジメントの巨匠・ピーター・ドラッカー氏との出会い。ドラッガー氏から学んだことは「非営利組織の評価」で、評価のスキルを自分で開拓するきっかけをもらったそう。会計検査院の検査報告書は毎年11月に院長から総理大臣に手渡される。去年、使い方に問題がっ見つかったのは334件。総額580億円にのぼった。ここ数年焦点になってきたのが予備費。予備費とは「予見し難い予算の不足に充てるため」と憲法に規定されてる費用のこと。近年、予備費はコロナ対策として急増した。今年度の当初予算では物価高、賃上げ目的など使い道の大枠が決まってる予備費が大幅に減額された一方、一般予備費は1兆円計上された。会計検査院はAIを駆使するデータサイエンティストを育成している。こうした事により、年に1回の公表だけでなく、国民のニーズに応え、スピーディーに調査・公表できるようになると考えている。財政健全化に向けて会計検査院が果たす役割について、田中さんは「国の財政状況、日銀の動向を定点観測し、毎年報告書に上げている。国債の動向・利払い費や償還費が国の財政への影響を検査・報告している。社会保障費や教育費、公共事業費など効率的に使われているのか、使い残しはないのかを検査で指摘をして改善していただくことで、少しでも健全化にしてほしい。そこに寄与したい」と話した。