東京電力福島第一原子力発電所の事故後の除染で出た土などは現在、福島県大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設に保管されていて、その量はおよそ1400万立方メートル、東京ドーム11杯分に上る。この除染で出た土などは、2045年までに福島県外で最終処分をすることが法律で定められているが、国はその量を減らすため、放射性物質の濃度が一定の水準を下回った土については全国の公共工事で道路の盛り土などで再生利用する方針。きのう開かれた環境省の専門家会議で、再生利用に使用できる土や場所などについてのガイドラインの案が示された。工事の作業者や周辺の住民の追加被ばく線量が、一般の人の被ばく量の1年間の限度とされる年間1ミリシーベルトを超えないようにするため、再生利用には放射性物質の濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の土を使うとしている。また、液状化や水害、地震のリスクが高い場所での利用は、十分な検討が必要としている。このほか、施工後は放射線量を年に1回以上、定期的に測定すること。除染で出た土の利用場所であることを表示するとしている。環境省は必要な手続きを進め、再生利用を来年度以降、本格化させたいとしている。