生まれてくる前の赤ちゃんを手術するという治療法。国内初の手術に成功したのは大阪大学 遠藤誠之教授らの研究グループ。2021年4月、脊髄髄膜瘤と診断された胎児の手術を母体の中にいる状態で国内で初めて行われた。脊髄髄膜瘤は胎児の脊髄が形成される過程で異常が起き、背中の外に脊髄が出た状態となる指定難病。1万人の分娩で2~4例ほど発症する。国内では妊娠22週未満で見つかった場合、75%が中絶を選択していたという。出生後に治療した場合でも歩行障害や排泄機能に障害が残る。これまでに同様の手術を計6例行いすべて成功しているという。いずれも出生後の治療より症状に改善がみられるという。今後胎児の神経障害の軽減などにつながることが期待される。