寒い日に食べたくなるのがラーメン。創業から52年の愛され続けるラーメンが天下一品のこってり。濃厚なスープは口当たりがトロトロだが、後味はすっきり。天下一品のこってりスープ誕生の裏には創業者の努力と奇跡があった。ボウリングブームが起きていた1971年。天下一品の創業者となる木村勉は人生のピンチに陥っていた。勤めていた会社が倒産し、36歳で無職となった。当時京都で屋台が多かったということもあり、屋台のラーメン屋を始めたという。板金修理の友人を訪れ屋台を作ってくれるよう依頼。ラーメンの作り方は中国人の知人に教わったという。店の名前は当時から天下一品。メニューは醤油ラーメンのみだった。初日の売り上げは11杯のみ。当時の一般サラリーマン並みの収入を得るには1日100杯の売り上げが必要だった。お金のない木村のラーメンの研究は客の意見を取り入れるというもの。質店でお金を工面し、資金を用意。先行きが見えない状況が続く中、ある親子から重大な情報を得た。子どもが残したスープから甘みが必要だと考え、野菜の配合の研究をした。研究を続ける中、体調を崩し病院へ。そこで鶏が体にいいといわれ、ラーメンに使うことに。開発から3年9か月がたち、こってりとした口当たりで甘みを感じすっきりしたスープが完成。ところが屋台で作る量には限界があった。出店するには資金の問題があったが、努力をする木村の姿に感銘を受けた常連だった石材店の社長が場所と資金を援助。こうして天下一品の1号店が1975年に誕生。オープン当日200人以上の客が訪れた。優しいこってりしたラーメンは瞬く間に大ヒット。
住所: 滋賀県大津市大江8-78-2