夏目漱石の「坊っちゃん」の自筆原稿150枚すべてが見つかったと奈良県天理市にある天理大学附属天理図書館が発表した。線を引いたり書き加えたり今も読まれる名作が生みだされるまでの過程を見て取ることができる。また「吾輩は猫である」第十章の自筆原稿も合わせて見つかった。「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」から始まる冒頭第1章をはじめほとんどの章の自筆原稿がこれまで見つかっておらず専門家は大事な資料としている。図書館などによると「坊っちゃん」「吾輩は猫である」の自筆原稿は30年前愛媛県内の展示会の図録で確認できたもののその後所在がわからなくなっていたということ。6年前に図書館が古書店から購入し鑑定したところ使われている原稿用紙や筆跡などから漱石の自筆と裏付けられた。漱石の自筆原稿は来月18日から東京千代田区で10月15日からは奈良天理市の展示会で公開。天理大学の太田名誉教授は「研究者にも大きな価値のある第一級の資料なので広く活用されることを期待」とした。