天皇陛下は長年、水を巡る問題を研究していて各国や国際機関の代表が参加するハイレベル会議を前に、「繁栄を分かち合うための水」をテーマに20分間余り英語で講演された。この中で天皇陛下は「人類の繁栄を考えるうえで災害の問題は避けて通れない」として、”能登半島地震について2度にわたって被災地を訪問した経験を踏まえ、石川県内の津波被害などの写真を示しながら説明された。そのうえで「水は災害発生後の大きな課題でもある」として、地震に伴う大規模な断水とトイレの確保を含めた衛生問題が発生したことを挙げ「水と災害の課題は多岐にわたる。今後ともこのような経験と知識の共有や備えの大切さへの理解と行動が地球規模で望まれる」と述べられた。さらに「気候変動に適応し水災害に立ち向かうためには、科学技術のさらなる進展と多くの関係者の育成が不可欠」として、若い世代の成長と交流が水の分野に根ざした社会経済の発展に大きく寄与していくことへの期待を語られた。