南太平洋の18の国や地域の首脳らを招いて16日から開かれている太平洋島サミット。きょうは岸田総理大臣が共同議長を務める首脳会合が行われる。梶原崇幹解説委員が「日本は国連改革やシーレーン確保の目的などから1997年から南太平洋の島しょ国の首脳を一堂に集めてサミットを開き、その後3年に一度開いている。ただこのところこの地域をめぐって米国と中国が熾烈な勢力争いを繰り広げている。きっかけとなったのは2年前、中国が軍事上の要所であるソロモン諸島と安全保障協定を結んだこと。日本はあえてこの米中の勢力争いから距離を置こうとしている。今回、日本は中国への対抗を念頭に置きつつも地域の一体性の尊重を前面に出して、災害対策や密漁対策など島しょ国が抱える課題に応える支援を打ち出すことにしている。また、東京電力福島第一原発の処理水の放出計画について、島しょ国の間では懸念がくすぶっているから、改めて安全性について理解を求めることにしている。この地域が狙い通り自由で開かれた海域であり続けることができるのか、日本への信頼を強めることができるかがその鍵を握ることになりそう」とスタジオで述べた。