ZIP!のジブリ(絵・宮崎駿、字・鈴木敏夫)。宮崎駿監督の名作「君たちはどう生きるか」。第96回米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞を獲得、ヨーロッパ、アジア(韓国、中国)などで公開された。三鷹の森ジブリ美術館企画展示「君たちはどう生きるか」展第三部背景美術編が開催中。今回は背景美術に注目。「となりのトトロ」、「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」を担当してきた美術監督・武重洋二に話を聞く。武重は近年デジタル化が進むアニメーションの世界ですべて手描きで描く希少な存在。武重さんは「手描きは色合いの混ざり具合、筆の動かし方でいろんな表現ができる。偶然間違った色を入れちゃってそれが良かったりという発見もある」などと述べた。手描きだからころできる二度とできない絵。武重さんが大切にしているのは宮崎駿監督との対話。武重さんは「今までと違う緑を使ってほしいというオーダーを受けて、トトロやもののけ姫だったりに代表されるみずみずしくて生き生きした緑を描いてきたが、舞台が昭和19年、敗戦を迎える前の年で生活は身も心もパサついた空気感がふさわしいと思った」などと述べた。