世界遺産の中には地元の住人と訪れた人との交流が盛んになっている場所があり、それは富岡製糸場である。日本初の本格的で大規模な器械製糸工場として建設された。質のいい生糸の生産技術を世界に広め、絹産業の発展に貢献した。製糸場では訪れる人を増やすため公開エリアを広げてきた。その1つが繭を貯蔵していた倉庫の西置繭所である。ただ現在の入場者数は世界遺産に登録前の水準に戻ってしまっていた。そうした中、製糸場のすぐ近くで地域住民が主体となった新しい取り組みが生まれている。洋服店を営む入山寛之さんが観光協会とともに試験的に始めたのは「富岡まなびステイ」というもので旅行者に富岡の町で1週間滞在してもらい、地域の魅力を知ってもらおうというものである。そして今月初めての参加者が訪ねてきた。東京の大学生である打田知永さんは以前富岡を訪れたときに入山さんと知り合ったことがきっかけで参加した。滞在の初日に訪ねたのは富岡製糸場だった。この取り組みの最大のポイントは地元の人との交流となっており、参加者は自己紹介文を作成し交流のきっかけにする。また泊まる場所は地元の人の家となっている。そして最終日、参加者は体験・感想を地元の人と共有する。