千葉県富津市で、フンチと呼ばれるネコハエトリグモ。繁殖期には、オス同士が出会うと、メスをめぐって戦う習性がある。これを利用した、クモに相撲をとらせる遊び「くも合戦」が江戸時代から伝わっている。取っ組み合った後、逃げ出したほうが負けとなる。町では、毎年5月の連休中にその年一番強い横綱を決める大会を開いてきた。コロナ禍で大会が開けず、久しぶりに開いた去年は参加者が激減し、子どもの部は例年の4分の1に落ち込んだ。今年の大会では子どもの参加者を増やそうと取り組んでいる。富津市内の小中学校全てに大会のチラシを配るなど、例年以上にPRに力を入れた。富津フンチ愛好会・小坂和幸さんは、母校の小学校を訪れ、フンチの経験者が少なかったことから、地元の小学生を対象にフンチの捕まえ方などを教える教室を開いた。迎えた大会の日、呼びかけが功を奏し、例年通り30人以上の子どもが参加した。初出場の小学5年生の女の子が横綱となった。大会の後、参加者は、フンチを元いた場所にかえして終わったという。