埼玉・小川町は移住に関する相談件数が県内で最も多く、おととし926件と2位の自治体の2倍近くに上る。移住者の関心を集める背景には東武東上線の存在があった。都内のIT企業に勤める男性は、その魅力に惹かれ1年前に居住した。小川町役場では帰りの電車でも確実に座れるよう支援している。移住者には全席指定のTJライナーを移住者につき20日分3年間補助する。さらに、3年前は駅から5分の場所に移住者を支援する施設を作った。施設常連の岩崎勇樹さんは、築50年の中古住宅を700万円で購入し、去年さいたま市から引っ越してきた。東京・歌舞伎町でスナックを営むありすさんは、早朝まで働いた後は友人の家に泊まる。しかし、休みになると小川町の自然と人のぬくもりが恋しくなりシェアハウスに帰る。シェアハウス1階にある店では移住者などが集まって定期的に交流イベントが開かれている。取材したこの日、ありすさんはスナックの常連客を誘って、地元の人達と交流を楽しんだ。