農業が盛んな東京都小金井市。街を歩けば野菜の無人販売所などもある。そんな街に暮らす子どもたちの間で今ひそかなブームになっているのが、小金井のご当地カードゲーム、その名もやさいじん。農作業物をモチーフにしたキャラクターのカードで戦う。小松菜を軽トラックで運ぶケンタロード、それからトマトのおいしさを伝えるポンタエコなど。農作物をモチーフにした7種類のやさいじんがいる。そのモデルになっているのが実在する市内の農家。地元の農家を巻き込んで子どもたちを夢中にさせるカードゲームの仕掛け人が今回のスター、江頭みのぶさん。1対1で行われるやさいじんはキャラクターカードとそれからやさいのたねとか道具などのカードを組み合わせて戦っていく。プレーヤーは手札を駆使してやさいじんを強化。戦闘力ならぬ鮮度が命の鮮闘力で勝負する。カードの中には台風予報や燃料高騰などトラップカードもある。ゲームを通して農業を疑似体験することがねらい。ふだんは市内で地元野菜を使った総菜や野菜を販売する店を営む江頭。その中でこの街の農家が直面する課題に気付かされたと話す。農家の魅力を子どもたちに伝える方法はないかと思いついたのがカードゲーム。取引先の農家を中心に協力を呼びかけた。カードの製作には地元のイラストレーターなどに声をかけてチームを結成。2年がかりでことし、完成した。カードには江頭と農家のこだわりが詰まってる。例えばシークワーサーの妖精、ワクワクワーサー。そのモデルとなったのがこの高橋金一。キャラクターが持つ矢の先に描かれたのは納豆やお酒、これは高橋さんが大学時代、納豆菌の研究をしていたことお酒好きという裏情報が入っている。農家だけでなく市内の飲食店などもカードに取り入れている。さらにこの夏、やさいじんは農家と子どもたちの交流を生み出した。カードのモデルとなった農家で子どもたちが収穫体験を行った。こちら300年続く農園の大澤桜。カード名はサクラ2.5。由来はゲームを原作にした2.5次元と呼ばれる舞台が好きだからだそう。カードから畑へ、江頭の思いは実を結び始めている。カードゲームは現在、市内の子ども食堂や農業イベントなどで遊ぶことができる。そして秋ごろの一般販売を目指してクラウドファンディングも行っている。