鹿児島県内には、日本に上陸するウミガメの半数以上が上陸するともいわれ、離島の海岸や東シナ海に面する吹上浜などで、産卵が確認されている。県は毎年、産卵シーズンを迎える4月から9月にかけて、環境省の調査やボランティアの報告などをもとにウミガメの上陸や産卵の回数の統計を取っていて去年、県内で確認された産卵回数は2907回で、前の年より776回多くなった。市町村別では、屋久島町が1775回と最も多く、次いで中種子町が171回、瀬戸内町が141回などとなっている。一方、県内のウミガメの産卵回数は、統計を始めてから最も多い平成20年の5415回と去年を比べると、半分近くにまで減っていて、県は要因について「明確なことは分からない」としたうえで、海水温の上昇などの海洋環境の変化により、ウミガメの回遊ルートや産卵周期などが変化している可能性があるとしている。県自然保護課は「ウミガメは、鹿児島を代表する野生の生物であり、引き続き調査を続けて現状を把握し保護に努めていきたい」としている。