広島市の原爆資料館には被爆者がみずからの体験を基に原爆投下後の街の様子を描いた原画およそ5000点が所蔵されていて劣化を防ぐために半年ごとに入れ替えて展示している。きょうからは“原爆と路面電車”をテーマにした原画6点が新たに展示された。このうち当時16歳で被爆した石井玲さんの作品では壊れた橋に止まる路面電車とともに橋の上で倒れ込む人や川に落ちて助を求める人の姿が描かれている。当時18歳で原爆投下の3日後、救護のために山口から訪れた山岡文子さんの作品では焦土と化した街の線路の上に仮設された救護所が描かれやけどを負った人たちを懸命に治療している様子が分かる。これらの作品は来年2月17日まで展示されその後は、また新たな原画に入れ替えられる。