来月1日の山開きを前に富士山の山梨県側の登山口の5合目に登山道への出入りを規制する常設ゲートが新たに完成した。常設ゲートは鉄骨造りで高さ約3.5m、幅約8m。山梨県側では去年、仮設のゲートを設置。これにより問題となっている弾丸登山が大幅に減少した。また、ゲート設置前のおととしの救急搬送件数が46件だったのに対し、去年は27件に減った。今年はさらに対策を強化。去年は午後4時にゲートを閉鎖していたが、今年は午後2時に閉鎖。通行料も去年は2000円だったが、今年は倍の4000円。登山指導では去年までは軽装の登山者に対し注意のみだったが、今年は権限を強化し入山を拒否することができるようになった。先週金曜日に職員の“富士山レンジャー”の予行演習が行われた。入山を拒否し、登山に適した装備の購入などを促した。山梨県富士山観光振興監・三枝徹さんは「装備品と登山ルールをしっかり守っていただきながら、富士山という唯一無二の価値を持つ山を十分に楽しんでいただければと思う」と話した。一方、来月10日に山開きを迎える静岡県側の登山ルートは山梨のようなゲートの設置について「地形が異なるので難しい」としているが、登山者の服装などを確認する仮設小屋の設置作業を進めるなど対策を急いでいる。