清美さんは鹿児島県西部の町・日吉町吉利で生まれ育った。代々、山里家の人たちが暮らした土地を案内してもらった。庭には先祖が大切にしてきた2つの石がある。これは集落の氏神様だという。宝暦3年に描かれた吉利郷惣絵図を見ると、山里という地名があった。さらに古い文献を調べると、鎌倉時代から山里と呼ばれていたことが分かった。山里亮太の5代前の先祖・四郎八は19に及ぶ田んぼや畑を所有していた。しかし、その暮らしは一変する。山里家は知人の借金の保証人になったことで、財産の多くを失っていた。借金の保証人となり、財産を失ったのは曽祖父・正太郎だった。正太郎は温泉宿で働き、コツコツ借金を返したという。