岡山市の中央卸売市場には「ふくふく通り」という商店街がある。訪れる人が減る今、その通りを活性化させたい立ち上がったのは建築家を目指す高校生、大学生たちだった。約100店舗からなる「ふくふく通り」。元々は市場で働く人のための施設だったが、2009年には一般客にも解放され市民の人気スポットとなった。あれから15年、訪れる人がいなくなった。老朽化も進み明るいと言い難い雰囲気が余計に客を遠ざけているという人もいる。そんな「ふくふく通り」の賑わいを取り戻せないか学生がアイデアを持ち寄る。会場を訪れたのは建築家の卵たち。10団体中9団体が大学生や専門学生。その中、高校生の一団がいた。岡山工業高校・建築家の1・2年生。放課後に集まり準備すること3カ月。まず製図班が設計図を作り上げる。設計図を立体的に組み立てるのが模型班。ただのハリボテにしないため事業の仕組みを考える専門部隊・事業スキーム班。去年は高校生ながら優秀賞を獲得したが、今年はプレゼンで最優秀賞をとりたいと意気込む。さらに市場を視察し現状を目の当たりにする中で芽生えた「ふくふく通りを何とかしたい」という思いがチームを突き動かす。3か月の成果を引っ提げステージにあがり生徒たち。プロたちに持てる限りの力をぶつける。そして審査結果の発表。最高賞から3番目にあたる日本建築学会奨励賞に加え、市場賞のW受賞となった。