対戦型のコンピューターゲームなどで勝ち負けを競う「eスポーツ」。それを会社内での親睦や企業どうしの交流につなげようという動きが広がっている。岡山県内で初めて開かれた企業対抗のeスポーツ大会には、およそ300人が参加した。大会の発起人の1人、岡山市の運送会社専務・入倉瑞生さん。入倉さんの運送会社は社員およそ230人。そのうちおよそ8割がドライバーで、将来的な人手不足を懸念している。そこで、若手社員の確保や離職対策に6年前立ち上げたのが「eスポーツ部」。ドライバー以外にも、営業や管理職の社員が専用スペースに集まって楽しむ。10人いる部員の一人、ドライバーの野上晃慎さん。ふだんは1人で運転することが多く、週に数回、同僚と交流できる場はすごく楽しみだという。職種や年代をこえた交流に手ごたえを感じた入倉さん。さらなる可能性を見いだそうと企業どうしの大会を考えた。eスポーツによる地域活性化に力を入れている岡山市の支援を受け、さまざまな業界に参加を呼びかけ、建設業や飲食業、家電量販店など27社が集まった。バランスゲームや格闘ゲームなどの部門で、企業対抗で競う。運転シミュレーションゲーム部門に参加した入倉さんの会社は、部の活動で培ってきたチームワークを発揮して優勝。そしてeスポーツで熱く盛り上がったあとは、交流タイム。これまで取り引きなどがなく、この場で初めて会ったという企業どうしも少なくない。この日、10社の企業と名刺を交換したという入倉さん。新たなビジネスにつなげたいと考えている。