新しい機能を持った靴下を生み出す岡本には24人の研究スタッフがいる。薬剤を使い撥水性をもつ糸を作って雨の日でも濡れない靴下を試行錯誤中。この糸で編んだ生地に水を垂らすと染み込まない。こうして前進を止めない岡本だが、過去には変革か死か迫られたことも。創業者は岡本の祖父にあたる岡本久太郎。母を手伝いたいと納屋で手回しの編み機を使って靴下を製造したのが事の始まり。その会社を大きく発展させたのが父の哲治。分業をやめて一貫生産にして納期を短縮。大手ブランドがこぞって依頼してくると引く手数多の会社に。創業家のもとに1979年に岡本が誕生した。跡取り息子としてのレールが敷かれていたが岡本はそのレールに乗るのが嫌だったという。岡本は高校を中退し、自分探しの旅と称して海外へ。キューバやモルディブなど、20カ国以上をまわったが、やりたいことが見つからず失意のまま帰国。岡本はアルバイトをしながら悶々とした日々を過ごした。そんな時間が25歳まで続いた時に転機が。父が突然会社に入ってほしいと告げたが父は他の役員が反発するのを覚悟の上で声をかけてくれた。当時経営は深刻な状況にあり、中国などの安いくつ下が台頭し価格競争が激化。そこへ追い打ちをかけるような非常な通知が。