仏壇の産地・福岡・川辺町。創業80年の地元の仏具店では、金箔や彫刻など町の職人たちの技術で、絢爛豪華な仏壇を数多く仕上げてきた。ところが今、この店では、処分するため仏壇を供養してほしいという依頼が増えている。元々は新品との買い替えで古い仏壇を引き取っていたが、最近では多くの人が仏壇じまいをしているという。この日供養したのは30件。長年仏壇づくりに励んできた職人たちは、複雑な思いで今の状況を捉えている。かつてない苦境に産地では知恵をこらして仏壇を利用してもらおうと、新たな取り組みを始めている。大きな仏壇を小さく生まれ変わらせるダウンサイジング。この工場では仏壇の最も大事な中心部分を抜き出し、小型化するリメイクを行っている。3年前に始めた小型化。多少の費用はかかるが相談が相次いでいるという。古い仏壇を分解しパーツごとに幅や長さを丁寧に調整し小さくしていく。伝統的な仏壇では欄間の裏側に隠れていることが多い屋根などの部分も、サイズを調整して大切に移し変える。利用者はどのような思いで頼んでいるのか。この日、小さく生まれ変わった仏壇が届けられたのは、子どもたちと離れて1人暮らしをしている高齢の女性。親から引き継ぎ7年前に見送った夫も入る仏壇は大切な存在。この大きさなら子どもたちに受け継いでもらうこともできそうだと、ひと安心した。川辺では伝統の産地ならではの職人の技を生かして、仏壇離れに歯止めをかけようとしている。
