市原青年矯正センターでは、受刑者が19歳から27歳の35人で、約8割が詐欺や窃盗の犯罪である。受刑者のAさんは、金銭管理がうまくできずに、エアコンの室外機などの窃盗を繰り返した。この施設では社会復帰に必要な力を身につける。受刑者の中には知的障害や発達障害があるものの、これまで福祉や教育の支援がなかった人もいる。この施設では福祉や就労支援、心理など専門の職員が受刑者1人1人の支援のあり方を検討する。特殊詐欺の受け子を繰り返し、受刑しているBさん。Bさんは中学卒業呉建設業などの仕事に就くもミスを繰り返した失業。人間関係をうまく築けず職を転々としている。Bさんの転機となったのは、他の受刑者とトラブルになった時。また居場所がなくなると思っていたところを刑務官は最後まで面倒をみると寄り添った。このきっかけにより思いを打ち明けられるようになり、次第に償いや再犯を起こさないようにするための生活方法を考えられるようになったという。
