若者が多く参加する抗議デモだが、そこには蓄積されてきた不満があるという。国際通貨基金(IMF)が発表する「世界経済見通し」では今年の時点で名目GDPはアメリカ、中国、ドイツ、日本に続いてインドは6位となっている。最新の報告では来年にはインドが日本を抜いて4位になる見通し。アジム・プレムジ大学の報告書では25歳未満の大卒者の失業率が約40%と極めて高い水準となっている。雇用なき経済成長が若者の不満の要因となっている。また、公務員採用試験や全国共通医学部入学試験で問題が流出・売買など不正事件が相次ぎ、数百万人の学生が影響を受けた。帝京大学・三輪博樹教授によると、若者中心の抗議活動は入試問題の漏洩問題への不満をきっかけに発展し、7月に教育相を辞任に追い込むことに成功した。今回の選管トップの辞任要求デモは純粋な学生運動から政治運動へと変化したと分析している。選挙管理委員会は制度上、政府から独立した機関であり、モディ首相は現時点で公にコメントせず静観の立場。短期的にみるとモディ政権を揺るがす政変には至らない。長期的にみると選管はクリーンで公正=インドの民主主義の礎となってきたが、選挙手続きへの不信感が定着するとデモが頻繁に発生し、社会の安定性が失われ、政治への信頼を損なう恐れがある。デーブさんは「静観しないで一回対話した方がいい気もする」などとコメントした。
