帯状疱疹の発症率が2014年以降で増加傾向にある。背景には小児に対する水痘ワクチンの定期接種が導入されたことがある。ワクチンと帯状疱疹の関係については免疫力ブースター効果の減少があるという。まず小児への水痘ワクチンの定期接種が開始すると水ぼうそうの流行が激減。一方で水ぼうそうにかかったことのある大人は治った後もウイルスが潜伏する。小児が発症したりすると大人も再びウイルスに接することによって免疫力のウイルスが高まってブースター効果が生まれていた。ただ、水ぼうそうが流行しないということで免疫力ブースターが働けなくなってしまう。この効果が減少してしまって帯状疱疹にかかりやすくなってしまう。その結果として発症率が上昇。下方医師は「非常に忙しかったり徹夜を繰り返していると冬眠していた帯状疱疹が体が弱っていることに気付いて発疹を出してしまう。そういった機序で若い方でも起こり得る」と解説。治療の中心はウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬をより早く投与すると効果的。痒みや痛みのあとに水疱が出現した際はできるだけ早い受診を。下方医師は「早く治療を開始すれば長期間続く痛みやしびれを予防することができる」と解説。予防法としては健康的な生活習慣を保つことが大切。また、50歳以上はワクチン接種が可能。発症予防・重症化予防ができ、自治体によって補助がある。下方医師は「コロナ禍で人の活動量が減った時期があって活動量が下がると免疫力が下がるのでそれで患者も増えた。また、コロナにかかられた方が免疫が低下してしまって帯状疱疹を続けて発症するということもあった」等と解説。