市川ぼたんさん(12)。市川團十郎さんの長女で2歳で初めて舞台に立ち、8歳の時に四代目市川ぼたんを襲名。この日はぼたんさんが出演する場面の俳優や演奏者が初めての稽古が行われていた。ぼたんさん以外全員男性。1人の俳優として指導に真剣に向き合う。稽古の合間に話を聞くことができた。父との芝居について「うれしい気持ちもありつつも父の前に立つと緊張してしまう場面もある」と明かした。これまでは日本舞踊家として踊りが中心だったが、古典歌舞伎での大役は初めて。幼い頃から伝統的な歌舞伎の世界を見てきたぼたんさん。基本男性が演じる舞台に女性1人で立つことについて「私は歌舞伎を見るのが大好きなので私が好きな空間に入れさせていただいているというか感謝しかない。憧れている父と弟と同じ舞台を踏むことができるのは本当にうれしい」と話した。公演は今月6日から始まった。ぼたんさん親子が出演するのは平家女護島を新たな解釈で描く物語。ぼたんさんは父と生き別れた娘を演じる。父親役は團十郎さん。さらに弟・新之助さんも登場。その母親役も團十郎さんが演じる。物語のテーマは家族の情愛。團十郎さん親子だからこそ表現できる強い親子の絆が描かれている。家族の絆を感じるのはどんな時ですか?との質問に「みんなでサイクリングしに行ったときに前に父と弟がいて後ろ姿を見ていると幸せで優しい空気に包まれている感じがしてそういうところに絆を感じる」と話した。素顔のぼたんさんは弟のことが大好きなお姉さん。「一生懸命やらなくちゃという姿を近くで見てきたので舞台のときは圧倒される」と話した。最後に市川ぼたんとしてどんなぼたんになっていきたいですか?との質問に「何事にも一生懸命頑張っていく、優しくて心の広い、そんな素敵なぼたんになりたい」と話した。出演者は「姉弟でリスペクトしているのが良い。12歳とは思えない佇まいだった」等とコメント。