村上は今日の総括に、小柄な人だった。小学校から大学までバスケットボール部だったと資料にあったのだが、ポジションはポイントガードだった。チームの司令塔だ。そんな人が、夫の急逝後、会社を継ぐ。「わたしは経営も飲食もわからない。みなさん、協力してください。年を取った新入社員だと思って一から教えてください。みんなでいっしょに会社を育てていきましょう」夫の死後、2週間後に社員に言った。後継者たる人の言葉として、それ以上のものはない。「幻の手羽先」を店舗以外で売った。店のためにできることは全部やったのだ。とした。