広島では今も被爆遺構や被爆建物などが残っている。広島市によると、原爆の強烈な爆風と熱戦は爆心地から2キロ以内の建物をほぼ全て破壊し、当時の広島市内の建物の9割が壊滅的被害を受けたという。残された建物も戦後の復興で取り壊されたり、建て替えなどにより次々と姿を消したりしていくなかで、市民から保存などを求める要望が出されて、広島市は1993年に被爆建物などを登録して保存費用を助成する制度を設けた。現在、原爆ドームなど爆心地から5キロ以内の86件の被爆建物などが登録されている。被爆建物の中には発見・登録されたものもある。被爆の時相を伝える被爆遺構・被爆建物の調査や保存には課題もある。2021年にサッカースタジアム建設予定地から過去最大級の被爆遺構が発見された。