広島市東区にある、私立広島桜が丘高等学校。今年4月、副校長に就任したのが、桐原琢さん24歳。授業では、社会科の公共を教える一方、ホームページ作成といった広報活動など、学校運営も任されている。桐原さんは教育系ユーチューバーとしても活動。これまで、大学受験に役立つポイントなどを教える動画をアップしてきた。周りに合わせる形で高校生活を送っていた桐原さん。自分が本当にやりたいことを見つけられず後悔していた。大学では、教育に携わりたいと、動画制作・配信を始めた。続けていくうちに、高校生がやりたいことを実現できる環境を作りたいと考えるようになった。当時、高校では生徒主体の活気のある学校を目指し始めたところで、桐原さんの動画での活動を知り、副校長として迎えた。生徒主体の学校づくりのため、校訓を「誠実 勤勉 感謝」から「自考自創」に変えた。自ら考え、成りたい自分をつくるという意味。生徒たちが自分の意見を持って話し合えるよう、多くの授業でグループワークの時間を増やすなど工夫している。さらに、定期テストを廃止、成績のつけ方も変えた。授業の終わりには、生徒自身に授業にどのように取り組んだかを記入してもらう。生徒の自己評価を元に、勉強に取り組む姿勢や単元ごとに行う小テストなどで、総合的に評価するように変えた。生徒が着実に知識を身につけられることを目指している。桐原さんは、生徒会の顧問もしている。今回初めて、生徒会が全校生徒から集めた要望を学校側に提案することにした。今回は、校内にアイスの自販機やコンビニを導入できないか提案した。自分たちの考えを自分たちなりの言葉で校長に直接伝えた。生徒が自ら考え、将来を探せる環境づくりを目指して、若き副校長が学校づくりに取り組んでいる。