新潟県弥彦村に移住したアニー・玲奈・オーバマイヤーさんは京都府出身の30歳。築224年で国登録有形文化財の旧鈴木家住宅に暮らす。やって来たのは2025年6月16日。弥彦神社の神職の住宅として建設され、明治維新の立役者の一人・岩倉具視が宿泊したことでも知られる。弥彦村の活性化に取り組むアートチーム「squatting」の森田幸尚さんは、アーティストが一定期間特定の場所に滞在して創作活動を行う「アーティスト・イン・レジデンス」の舞台として住宅の活用を考案し、最初のアーティストとしてアニーさんが選ばれた。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、大学卒業後は全国を旅しながら絵を描き続けてきた。引越しを終えたアニーさんが向かったのは地元の建設会社。無償で譲り受けた使用済みの床板が絵を描くキャンバスになるという。最初に取り組んだのは和室いっぱいに敷き詰められた20畳分の板に描く巨大な作品。古民家で自炊しながら創作に打ち込む。庭の風景を楽しみながら食事をするのが日課となっていた。散歩も創作活動には欠かせない日課で地元の人と交流する。20畳の絵は240枚に分割されており、88枚は支援者のもとへ行く。「アーティスト・イン・レジデンス」の運営費を賄うためにクラウドファンディングを実施し、作品の一部が返礼品となる。支援者の特権とするため、作品の全貌は非公開とした。近隣に住む支援者には感謝の思いを込めて直接手渡した。
