今、中国各地で日本人歌手のライブが毎週のように開催され、大人気となっている。その背景にあるとされているのが「情緒消費」と呼ばれる中国の現象。中国で景気が減速し消費者の節約志向が高まる中でも、新たな消費のトレンドとして注目されている。今月1日に北京で開かれた浜崎あゆみさんのコンサート。中国各地から約1万2000人が来場した。中国文化観光省のホームページによると、先月に北京・上海・広東省の3大都市圏で行われた日本のアーティストが出演したとみられる公演は約60件。去年の同じ時期の約1.5倍に増えている。その背景にあるのが情緒消費。実用性やコストパフォーマンスよりも、感情的なニーズを満たすため音楽やグッズ・ゲームなどを、自分の満足や癒やしにお金を使うという消費のトレンド。中国の消費トレンドに詳しい専門家は、「自己顕示欲的な消費スタイルから、より自己満足的な消費スタイルになってきている」と話す。ある男性が買ったチケットは5万5000円相当の席だった。中国の情緒消費の市場規模は、去年40兆円を超え、今後5年間で90兆円に達するという試算もある。情緒消費の市場拡大が見込まれる中、日本のコンテンツ産業にとっては大きなビジネスチャンスだと指摘する。日本関連の公演が増えている要因について森永さんの分析を見ていくと、「中国はゲームやキャラクターなど自国のコンテンツの魅力が上がっていることに自信を持って、世界発信を強化している。それに伴って中国国内における海外文化の規制緩和も進めていて、当局の許可が下りやすくなっているのではないか」などと指摘している。
